病態はさまざま

聴診器

昼夜逆転を元に戻す

うつ病にはいろいろなタイプがありますが、従来型に該当しないものを総称して非定型うつと呼んでいます。非定型うつの大きな特徴は、自分にとって好ましいことがあると気分がよかったり、元気な状態が続くのに対し、不快なことがあると、突然、落ち込んだり、気分が塞いだりします。一日のうち一定の時間だけ、もしくは一週間のうち数日だけ、うつ状態になる人も多いです。食事や睡眠は過ぎるほど取り、身体が重く感じます。また、人間関係において過敏なところがあり、とくにプライドを傷つけられるような言葉には敏感に反応するところがあります。この非定型うつにもいくつかのタイプがあり、その一つが未熟型です。仕事上、または人間関係の問題や葛藤を抱えた時に発症しやすいタイプです。いったん良くなっても再発を繰り返すうちに、不安や焦燥などの症状が加わり、衝動的な行動に走ることもあります。また、30代過ぎのやや若い年齢層に見られ、当人が自らすすんで受診するケースが圧倒的に多いのが現代型です。今までちゃんとやってきたことが出来なくなってきた自分への戸惑いが強く、いわゆるうつ病の典型的症状が全てそろわないタイプです。締め切りや納期へのプレッシャーが強く、不安を覚えることがあります。どのタイプにも共通しているのは、根底に強い不安感を抱えていることです。非定型うつの治療の中心は薬物治療と精神療法ですが、そのほかにも自分で実行するといいのは、生活リズムの調整です。非定型うつは、昼夜が完全に逆転してしまう睡眠障害を伴いがちです。生活リズムの乱れは、そのまま心に悪影響を与え、病気を悪化させてしまいます。そのため、まずは過眠や鉛様マヒの症状が薬物療法や精神療法により落ち着いてきたら、少しずつ規則正しい生活に戻していきます。朝は決めた時間に起きて、食事は3度とり、間食はなるべく避けることが大事です。夜は12時前に就寝するようにします。昼寝はなるべくしない努力をして、どうしても眠くて仕方がないときには、1時間以内の仮眠程度にとどめるようにします。そして、症状が軽快し、会社にいけるようになったら、多少辛くても時間通りに出勤することが大切です。仕事に取り組むことで、脳を活性化できるので、体内リズムが整います。また、気持ちも前向きになるので、治療効果も上がります。非定型うつは、うつ状態も軽く、体も動くようなら、仕事を続けたほうが経過は良好です。仕事の復帰が遅れる場合には、どうしても生活が不規則になりがちなので、今日は何をするか、その日の目標を決めるようにします。今日は掃除をする、という程度の目標でも問題はありません。掃除は適度な運動になりますし、きれいになると達成感も味わえ、家族からも喜ばれるので気分も良くなります。